グレートオーシャンロードの景色を見た日
18日目(3月16日)/Apollo bay→Millicent
宿を出る。外は大雨。「こんな日に景色を見るの?」と言いたくなるような天気だ。Otway national parkという国立公園の中を走る。このあたりまで来ると晴れはじめ、路面の水が蒸発して霧ができていた。あたりは、"乾燥した国"とは裏腹に、シダ植物が生えている。ニュージーランドでは見られない木も生えている。Walk wayもあったがそのまま通り過ぎる。
カンガルー注意の標識をよく見かけるな、と思ったら道路のすぐ脇にカンガルーが立っていた。体長は約1m。
100km/hで走っていたので、写真を撮るまもなくあっという間に通り過ぎてしまった。見つけてから横を通過するまではほんの数秒だった。
しばらく山道を走った後、再び海の方へ出る。雨は降っていない。綺麗な海が眼下に見える。海岸近くはエメラルドグリーン、遠くの方は青色になっている。
HawaiiのHanauma bayのようだ。
Great ocean rd.で1番の見所、Port Campbell national parkの方へ進む。天気はまた悪くなり始め、やがて強風と大雨が我々を襲うようになる。
まず、12個の奇岩がある12人の使徒(The twelve apostles)まで行く。海に浮かぶ12個の島が12人の使徒に見えるそうだ。
また、この沖合にはたくさんの難破船が沈んでいるらしい。その船に乗っていた人の冥福を祈って12人の使徒という名が付けられたという説もあるらしい。
雨は相変わらず強い。覚悟して外へ出る。岩が奇妙な形で立っている。我々が立っている場所も含めて、あたりは絶壁となっている。壁面は赤茶けていて、日本の絶壁とは全く異なる。むき出しになった地層がとても印象的だ。あたりの植物は、いかにも潮風に耐えそうな色をしている。決して青々とはしておらず、どちらかというと茶色っぽいような気もする。
ほんの数分だけ見て満足した気になる。とてもこれ以上は外にいる気がしない。100~200m歩くとLookoutやWalk wayがあるらしいが、雨が強くて外に出る気もしない。
雨が降りしきる中、Port Campbellの町まで行く。到着後も雨は降り続けている。サンドイッチを買うことにして、車を停める。雨がひどいので、店のすぐ前に車を停める。助手席から降りたところがちょうど側溝になっていて、彼女が足をびしょびしょにしてしまう。
トマトサンドイッチ、チーズサンドイッチを買う。どれも比較的安価だ、と思っていたら、トマトサンドイッチにはトマトしか入っておらず、チーズサンドイッチにはチーズしか入っていなかった。これには少々驚いた。その場でつくってくれたのでまさか具の入れ忘れということはないだろう。レタスの1枚くらい入れてもいいのに。こんなサンドイッチは見たことがない。いや、オーストラリアの人にとっては、ふりかけの入っていない梅干しだけのおにぎりも奇異に思えるのか。こう考えれば芸のないサンドイッチも納得できるが、具だくさんの日本のサンドイッチに慣れた我々にとっては馴染みにくい。
London bridgeへ向かう。London bridgeは、かつては橋の形をしていたが、波の浸食で橋部分の岩が落ちてしまっている。
凄い光景だ。現在は、橋台の部分だけが残っている。落ちたのは大昔ではなく、わりと最近のようで売られていた絵はがきには橋が落ちる前の姿が映った写真があった。落ちる瞬間を見た人はさぞかし驚いただろう。
Bay of islandへ。小さな岩が海上に5,6個浮かんでいる。天候が次第に回復していて、ここに着いたときには薄日が射していた。天気のいいうちに景色を堪能する。
車へ戻って昼食をとる。だんだん、雲行きが怪しくなり雨が降り出す。車がガタガタと揺れるくらい風も強くなってくる。それでも、有名な観光地だけあって、どんどん車が来る。さすがに車の中から海を見てすぐに行ってしまう人もいる。だが、車を降りて雨の中を走っていく人もいる。
それにしても天気が悪い。彼女は側溝に足をつっこんでしまったこともあり、あまり外へ出る気がしないと言う。車を走らせている時もずっとスニーカーと靴下を乾かしていた。もっと天気が良ければ1つ1つの観光地をじっくりと見られただろうに。多少悔いが残るが仕方がない。
サウスオーストラリア州へ
どんどん車を走らせて、SA州へ入る。州境を越えた途端がらりと雰囲気が変わる。道路の周りには杉が植林されている。この旅行中、はじめて目にする風景だ。多少雰囲気は違うが、日本の山道を思い出す。VIC州では100km/hだった制限速度もNSW州と同じ110km/hに戻っている。
最初の大きな町、Mt Gambierに着く。わりと大きな町でスーパーや店がたくさん見える。
そう言えば、VIC州とSA州の間には30分の時差がある。時計を30分戻すと、何か特をした気がする。この町も悪くないが、せっかくの30分の時差を有効に活かしてもう少し進むことにする。
Millicentの町に着く。2つしかないCaravan parkのうちの1つにチェックインする。とても小さいキャンプ場で泊まっている人も少ない。部屋もまずまず綺麗で、テレビまで付いている。シャワーのお湯が出ない以外はまずまずだ。
荷物を置いて買い物へ向かう。受付の人に中心部への道のりを聞く。小さい町なので迷うこともなく2,3分で着く。Woolworthsで食料を買い込み、宿へ戻って夕食をつくる。