雨に降られた日

38日目(4月5日)/Mossman&Port Douglas

彼女は昨晩よく眠れなかったようだ。蒸し暑さに加えて虫が飛んでくるのが気になって不快だったようだ。そのうえ、朝食に食べたスイカが腐りかけだったので機嫌が悪い。

雨で通行止め

さらに北の方へ行きジャングル体験をしたかったが、雨が降り止まない。だが、せっかくここまで来たのだから、とさらに北の町Daintreeまで一応行ってみることにする。Cook highwayを北上すると、前方からパトカーがやって来て、我々の行く手を遮るように道路のど真ん中に車を停める。さすが、旗を振って車を停めるなどというケチくさいことはしない。やることが大胆だ。
Policeは、「この道はこの先進むことができないので、横の道へ迂回するように。」と指示する。指示された通りサトウキビ畑の中へ入っていく。
道は、明らかにMain streetではなくこのまま進むと道に迷いそうだ。幅員も狭く、両脇にサトウキビがかなりの高さまで茂っているので見通しが非常に悪い。おまけに突然トロッコ列車の線路が前を横切ったりする。
しばらく走ると目の前に橋が現れた。橋に高欄などはなく、水没しても簡単に流されないようになっているのがおもしろい。そして水はその橋の上まで来ており、一見渡れないかのように見える。
彼女は心配そうだったが、おもしろそうなので渡ってみる。できればこの橋を渡っている最中の写真が1枚欲しいところだが、無理なので渡りきったところで水没している橋のみをカメラに収める。
一応通行止めとなっている場所は通過したのだろうが、これ以上進んでまた通行止めがあっても困るので、戻ることにする。再び水没した橋を渡りCook highwayまで戻る。ブレーキの効きが若干悪くなったので、こまめに踏むことによって制動力を回復させる。

Mossman national parkへ行くも大雨でなにもできず

他に行く場所がなくなったので、町から一番近い観光地、Mossman national parkへ行く。City centreから10km程度南下し、Mossman gorgeの方へ向かう。山の中へ進むと次第に道が悪くなっていく。道は未舗装で日本の林道のようだ。途中、対向車とすれ違うために停まったりゆっくり走ったりしなければならない。道が未舗装、まわりが林、雨が降っている、これらは日本ではごく普通に起こる条件なのだろうが、乾いた場所ばかり走っていた我々には新鮮だ。このCairnsから北というのは雨が多いからか、日本の山の風景を思い起こさせる場所が多い。
さすがに冠水しているところはなかったが、かなり水たまりができている。アボリジニのGuided tourの案内所があったのでそこの人に、「道は通れるか。」と聞くと、「朝行ったときは通れた。」と言う返事だ。そのまま進むと、駐車場に着く。道は大丈夫だった。おまけにツアーのマイクロバスや何台かの乗用車も停まっている。トレッキングコースの案内が書かれた看板があったので、雨の中走って見に行く。その間に雨はさらに強くなり、トレッキングどころではないような降りかたになってくる。周りの人の中にも車の中で躊躇している人もいる。このままやめてCaravan parkへ戻ろうかと言っていたが、隣の人がバスタオルをかぶって外へ出たので、負けてはいられないと我々も強行することにする。最初の吊り橋まで 400mしかないというのに雨はひどく進めそうにはない。2人とも予備の靴を持っていないので、ぐしょぐしょになってしまってはこれからの行程に影響が出る。仕方なく、一番近くのLookoutのみ見ることにする。Lookoutからは流れの速い川が見える。直径2,3mはあろうかという岩がごろごろしており、水がぶちあたって水飛沫を上げている。日本で見慣れた光景だが、彼女にとってはとても新鮮なようだ。彼女は海育ちなので川はあまり見慣れていないようだ。
駐車場に帰る途中、雨合羽を着たツアーの客10数人とすれ違う。きっと今から2,3時間歩くのだろう。我々にはあのパワーはない。少しパワーを分けて欲しいほどだ。

Caravan parkへ戻る。時刻はまだ午前10時30分だ。たまった洗濯物を洗濯機に入れこれまでにもらったパンフレットの整理をする。
時間があるのでのんびりとした昼食を取る。ワカメと卵のみそ汁をつくり飲む。雨は相変わらずざあざあ降りだ。これでは午後からも出かけられそうにない。することがないのでテーマを決め、それについて話し合うことにする。車で移動中、時間があるときによくやっているやつだ。今回は全国47都道府県の名産品や土産物を1つずつ挙げていこうということになる。四国や東北など居住地から離れている場所には疎い。きっと四国の人も我々が住んでいる地域のことは疎いのだろう。

Port Douglas

あまり話が盛り上がらないのでPort Douglasの街へ行くことにする。こちらは来た道を戻ることになるので通行止めなどはないだろう。
車を走らせPort Douglasの街へ。Port Douglasは、Cairnsと同様Great barrier reefへの拠点の街となっている。彼女は以前にオーストラリアに来たときに立ち寄ったことがあるそうだ。
まず、オーストラリア最高級のリゾートと言われるSheraton mirageの前を通る。ガイドブックによると、宿泊料は$300/1泊以上するそうだ。今の我々の生活水準からは考えられない。普段泊まっている Caravan parkの10倍もの値段だ。森に囲まれた中に白亜の建物がほんの一瞬だけ見えた。そしてその隣はどうやらゴルフ場になっているようだ。

続いてCity centreへ。あれだけ降っていた雨がこちらでは降っていない。歩道には椰子の木が両側にあり、お土産物屋やおしゃれなCafeが並んでいる。しかも、 Easterだと言うのに開いている店が多い。さすが観光地だ。いっそのことMossmanなどに泊まらずにこちらに泊まれば良かったと思うが、やはりこちらは観光地、Caravan parkとは言え宿泊料も高いに違いない。
Marina mirageというShopping centreへ入る。革製品やブランドもののバッグなど付加価値製品を売っている店が多い。観光地らしい。彼女はこういう店が好きなので1件1件見て回る。しばらくの間それにつきあう。
だが残念ながら、半分くらいの店が閉まっている。貼り紙に寄れば明日は、オープンする店が多いようだが、それでもまちまちのようである。個人主義という上に、日本のShopping centreのように核店舗+専門店という構成ではないので、なおさら同じ日に休みをあわせるということが難しいのだろう。客足低下につながらないのだろうかと心配になるが、そんなことよりも自分の休みを取ることの方が重要なのだろう。
Shopping centreの中に水槽が陳列してある。海水魚やイソギンチャクなどが中で泳いでいる。おそらくこの近海の魚だろう。

Mossmanに戻る

薄切り肉を作ってもらう

Mossmanに戻る。数km離れた場所にしかスーパーがないので肉屋で肉を買う。薄切り肉が食べたくなったので、Rump steakを薄切りにしてもらう。おじさんは、細長い棒状の研ぎ器で包丁を研ぎながら応対してくれる。ニュージーランドでは、この種の研ぎ器を使っていたが、日本で使うような砥石のように切れ味が長持ちしない。切れない包丁では薄切りは難しいだろう。「できるだけ薄く切ってくれ。」と頼むと、「おお、向こう側が見えそうだ。」といいながら切ってくれた。以外とまともな薄切りになっている。

プールで泳ぐ

Caravan parkに戻った頃にはこちらも雨が止んでいた。しかし、道は簡単には開通しないだろうということで、このCaravan parkの目玉Swimming poolへ行く。50mプールでまじめに泳ぐのはおそらくはじめてだ。
彼女に上から見てもらい、基本的な足の使い方や効率的な泳ぎ方を指導してもらう。おかげで最初の50mは非常に辛かったが、次第にコツを覚えすいすい泳げるようになる。

その後、彼女はエメラルドブルーの蝶をカメラに収めようとカメラを持ち出してくる。だが、さすがにこちらが近づくと蝶の方も逃げていく。やはりカメラに収めるのは難しいようだ。
水泳中に大雨が降ったりもしたが、泳いでいる分には天候は関係ない。結局1時間半くらいで1000m以上泳いだ。これだけの距離を泳いだのは人生始まって以来だ。今まで泳ぐ=疲れること、だと思い込んでいたが、彼女に教えてもらったおかげで疲れずに泳ぐことができるようになった。これだけ泳いだにもかかわらずまだまだ泳げそうだ。水泳の楽しみがようやくわかったような気がする。
夕食はツナ入りお好み焼きと、先程肉屋で買った牛肉を使ったすき焼き風卵綴じにする。韓国うどんもみそ汁代わりにつくるがいまいちだ。汁が相変わらずとても辛い。また、麺も今1つだ。韓国ラーメンは非常においしかったので意外だ。

勉強が苦手なボクの英語日記 ワーホリを終えて

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