エアーズロックを見た日

23日目(3月21日)/Malra→Yulara

オーストラリア大陸のど真ん中・Stuart highwayを走る

Marlaを9時過ぎに出発。あたりにあるのはやはり灌木のみ。その灌木に握りこぶし大ほどの何か白いものがついている。気になったので、道路脇に車を停めて、何か確かめることにする。その物体は結構たくさんある。ざっと見ただけでも3,4個は見つけることができた。表面は、蜘蛛の巣のような糸が絡んでいて、中に何か入っているようだ。とりあえず、その物体を写真に撮る。

変な物体

百舌鳥のはやにえのように、中に小動物でも入っているのでは、と気味の悪い想像をする。近くに落ちていた木の枝でつついてみる。とても粘っこい糸でできている。2本の枝で無理矢理こじ開けると、中に大量の毛虫が入っていた。とても気持ち悪い。

再び走り出す。道路脇には無数のカンガルーの死体が転がっている。白骨化したものからまだ死にたてのようなものまで様々だ。そして、その死骸にはげたかのような大きな鳥が群がっている。残酷な光景だ。絶対にひきたくはない。ひいてしまったら、動けない状態での重傷では可哀想なので、頭を殴って殺してしまわなければならないそうだ。確かに、動けない状態で鳥に食われてしまうのも可哀想だ。やはり絶対にひきたくはない。

Erldundaの町に着く。ここも町というには小さすぎる。村というにも小さすぎる。集落もない。ガソリンスタンドが1件あるのみだ。 Accommodation guideによれば、人口"ごくわずか"だそうだ。1家族か2家族程度しかいないのだろう。しかし、人だけは多い。Darwinから来ても Adelaideから来ても、ここを通らずにAyers rockへ行くことはできないからだ。
とりあえず給油する。あまりたくさん走っていないので20lほどしか入らないが、満タンを心がけていないと不安だ。ガソリンはAdelaideの約 1.5倍、$0.95/lだが仕方がない。
車を町外れに停め、パンを主食にした貧しい昼食をとる。町外れとっても中心部から50mほどだ。この町はそれくらいの大きさしかない。
この町ではEmuが飼われている。とても人なつこいというか好奇心旺盛で、指をくるくる回すとその指を追って目を動かす。パンを与えると、大きなくちばしを広げてぱくっと食べる。Emuは普段は何を食べているのだろう。こんな何もないところで餌といえばカンガルーの死骸くらいしかないだろう。
町、つまりガソリンスタンドの奥の方はCaravan parkになっている。そこにとてつもなく大きなサボテンがある。牛の角のような棘が出ているのには驚いた。砂漠にしか生えることのできない植物なのだろう。だが、このあたりにはそんな植物は生えていないので、おそらく外国の植物なのだろう。

エアーズロックまであと244km

Stuart highwayを離れ、Ayers rockを目指す。ここから約244km、また長距離ドライブだ。
いきなり左手に大きな岩のような大地が現れた。全然離れているにもかかわらず、一瞬エアーズロックと勘違いしそうになったが、これはMt. Ebenezerという山だそうだ。標高893mでお茶碗をひっくり返したような形をしている。車の中から写真を撮った後しばらく走った所に、 Lookoutがあった。

エアーズロックのベースYulara

いよいよAyers rock観光のベースとなるYularaの町が近づいてきた。大地の隙間から時々ちらちらとAyers rockらしきものが見える。とても赤い岩だ。

Ayers rock resort

Yularaの町に入る。ここは、Ayers rock resortと呼ばれ、宿泊地などは全てここにまとめられている。元来、エアーズロックはアボリジニの聖地で、彼らは幾年か前まで国に返還を求めていたという。そしてその返還要求が認められ、数年前に記念的に返還され、すぐ国が99年のリースで借りるという形になったという。そんな経緯もあり、このリゾート周辺はアボリジニの聖地になっており、全ての宿泊施設が1カ所にまとめられたという。
唯一のCaravan parkへ行き、チェックインする。1泊何と$52.50もする。$$$。せっかく来たのだから仕方がない。しかしそれにしても$$$だ。
South オーストラリアとNorthern Territoryの間に時差があることをすっかり忘れていた。Receptionの時計を見てはじめて気付く。Receptionの前にいた人と立ち話をする。「思ったより暑くない。」と言うと、「確かにあまり暑くない。」と言う。だが、気温は35度もある。とてもそんなに暑いとは思えない。やはり湿度が低いせいだろう。湿度はたった6%だ。こんなに低湿度の場所は地球上でもそんなに多くはないだろう。さすが、世界で1番乾燥した大陸といわれることだけはある。
看板に、暑さに注意という内容の注意事項が書かれている。ちょっと時間をとって読んで欲しいと書いてあるので読んでみる。"暑いときに水を飲まないことは死を意味する、1時間に1lを目安に水を携帯するように。"と書かれている。その他、暑さの恐怖が延々と書かれていた。
Reception前の芝生がやけに緑色が濃く見える。しばらく緑色らしい緑色を見ていなかったので余計に緑が映えて見える。こんなに芝生は緑かっただろうかと思ってしまう。

まず、Visitor centreへ。白いテントが眩しい。スイス製の日除けテントだそうだ。さすがに観光地だけあって、とても充実している。博物館のようだ。よく見かけるやる気のなさそうなというか、半分萎れたような木はOakの1種なのだそうだ。この半砂漠地帯の草木はどれもこの環境に適するように進化してきているようだ。この乾燥した所でも、数年に1回大雨が降る。この地域に生える木の実は、その時まで壊れることのないよう固い皮で覆われていると本で読んだことがある。そして、そんな大雨の直後は、死にかけたような色をした草木にも美しい花が咲くという。

アボリジニに関する展示も充実している。文字を持たないアボリジニが使う記号や、アボリジニにとってのエアーズロックの意味などの説明を読む。
アボリジニの人の中には、いまだに原始的な生活をしている人もいるようだ。白いワイシャツを着てカンガルーを丸焼きにしているビデオを見た。これだけが全アボリジニの姿とは言えないだろうが、とても印象に残る。
Shopping centreへ行く。いくつかのホテルの前を通るが、どこも立派だ。日本人観光客はみんなこんな所に泊まるのだろう。
たくさんのお洒落なお土産物屋が並んでいる。さすがに観光地らしい。日本人受けしそうだ。しかし、なぜ日本人はこんなにお土産物屋が好きなのだろう。旅行は自分のためにすればいいと思うのだが。

スーパーで夕食の買い物をする。黄色の西瓜があったので買う。アボリジニの人がコーラを買っていた。表現方法が悪いかもしれないが、先進的な生活をする人もいるようだ。続いて隣の郵便局の様子を伺う。
美しい自然をテーマにした切手が売られている。まだ行っていない所の切手がたくさん売られている。まだまだ見る所はあるようだ。
5時過ぎから夕食を作り始める。夕方、エアーズロックが赤くなるというので6時半頃にはここを出発しなくてはならない。防災上の理由からガスコンロも Stove topもない。唯一の調理器具であるElectric Frying panを駆使してご飯を炊いたり肉を焼いたりする。前日の食事が貧しかったということで、ご飯に固執したため、さすがに時間がかかる。料理が終わったら6 時20分になっていた。大急ぎで食べ、後片付けをして出発したのは6時45分過ぎだった。

エアーズロックを見る

車を飛ばしてエアーズロックの方へ。町からエアーズロックまでは、近いようで20kmもある。まるですぐそこにあるように見えるが20kmという距離を考えるとかなり離れている。陽はもう傾きかけている。途中にゲートがあり入場料を取られる。5日間有効で1人$10だ。お金を払い、9km先にある Sunset view pointを目指す。だんだんエアーズロックが近づいてくる。運転していても巨大な岩が視界に入る。突如として視界に現れてくるので、岩が転がり落ちてきそうな恐怖感を覚える。運転してなければわからないだろう。
View pointに着くとたくさんの人がカメラ片手に写真を撮っている。道に沿ってずっと駐車場が続いている。エンジンを切るのも忘れて車を出てカメラを構える。「彼女にエンジンを切って。」と言うが、この車を運転したことがない彼女は切り方がわからないようで手間取っている。

ずっと見ていると、夕日が沈むほどに岩が赤くなっていく。時間をずらして何枚か写真を撮る。やがて日が完全に沈むと色がまた変わった。

エアーズロックの写真:茶色

エアーズロックの写真:黒っぽい茶色

エアーズロックの写真:少し赤っぽい

エアーズロックの写真:オレンジ

エアーズロックの写真:オレンジから黒へ

エアーズロックの写真:朝?

やっとエアーズロックを見ることができた。このオーストラリア旅行でもっとも楽しみにしていた場所だけにとても嬉しい。テレビのコマーシャルや雑誌の写真などで見かけることの多いこの景色を目の前で見ることができて良かった。

夕焼け

夕焼けがとても美しい。地平線に近いところが青っぽく、次の層がオレンジで、その上がまた青色になっている。とても不思議だ。その夕焼けに浮かんだエアーズロックがまた美しい。
帰路、夕焼けの色がまた違って見える。地平線に近いところがオレンジ色で上の方は青紫色になっており、間がグラデーションになっている。木々が影絵のようにシルエットになっている。横に目を向けるとMt. Olgasがシルエットになっている。こちらもとても美しいので何枚か写真を撮る。こんなに綺麗な夕焼けを見るのは生まれてはじめてだ。

アウトバックでの夕日1

アウトバックでの夕日2

宿に到着。明朝、エアーズロックに登ることを決める。昼になると40度を超すこともあるというので早起きして登ることにする。そう言えば、昼に登って死んでしまう人も多いとReception前の注意書きに書いてあった。明日に備えて今日は早めに休む。

勉強が苦手なボクの英語日記 ワーホリを終えて

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