アオボリジニアートを見た日
30日目(3月28日)/Darwin→Jubiru
朝8時30分、やたら寝苦しかったYouth hostelを発つ。車に乗り込むだけで、汗がたらたらと出てくる。彼女が隣で化粧をしようとしているが、汗が出てくるのでうまくいかないようだ。
町の中心部、Smith street mallへ行く。モールには緑豊かな樹木が植えられ「熱帯へ来たんだ。」という実感を持たせてくれる。だが、朝8時50分と早いためか、開いている店はほとんどない。だらだらとウインドーショッピングをしながら歩くが、それほど大した店はない。そうした中で、通り沿いにあるVisitor
informationはすでに開いている。彼女は、Museumの場所を教えてもらっている。さらにエンジンオイルが必要ということで、K-martの場所を聞いている。住所を聞いてもぴんとこないので地図上で位置を示してもらい、「どこどこを左に曲がり、高架橋を・・・。」、とかなり具体的に教えてもらっていた。K-martの位置を教えてもらっている間、トップエンドの日本語ガイドを読んで待っていた。
ダーウィンはアジア
外へ出ると、いろいろな人が歩いている。ガイドブックに、"白人のオーストラリアではなくアジア世界だ。"とあるように、白人がMajorityのい町ではないように見える。中でも中国系の人が特に多いように見える。Northern territory最大の町というだけあってアボリジニも多い。どこの国の言葉かわからない言語も飛び交っている。車に乗り込み、The NT museum and art galleryへ行く。先程彼女が道を聞いていたので迷いながらも辿り着く。museumの駐車場に車を停め、降りると、熱帯の日光が容赦なく降り注いでくる。あたりの木々もとても熱帯らしい。
Museums and Art Galleries of the Northern Territory
Museums and Art Galleries of the Northern Territoryの建物に入ると、Receptionの男の人が館内案内図をくれた。まず最初はアボリジニの絵がたくさん飾られている。ほとんどのものが木の皮に描かれていることをはじめて知った。赤茶のベースに、白や黄土色、黒、赤などの色でカンガルーや、魚など、自然の生き物と人が点描で見事に描かれている。それぞれの絵には、作者の写真と略歴が説明されている。何気なく砂漠の中で暮らしている人の中にも芸術的な絵を描く人がいるのだろう。
続いて、博物館に移る。最初は鳥コーナー。鋭い爪を持った鷹の剥製が目に飛び込んでくる。当然だが、全体的にニュージーランドの鳥とは種類が異なる。ニュージーランドよりも、カラフルでインパクトの強い鳥が多い。社会科見学と思われる子供がたくさんいて、先生と鳥の剥製を見ている。やはり、社会科見学で見るものは日本と対して変わらないようだ。
鳥の展示室はスロープになっていて、2階へと続いている。2階には、アボリジニのArtをCopyしたT-shirtsやようふく、絨毯まで売っている。ちゃんとアボリジニがCopyrightを持っているそうだが、そのお金はどうやって作家の元へ渡り、それをどのように使っているのだろうか。もしかしたら、ブローカーが途中でお金をぼったくったりしていないのだろうか。そんなことはともかく、絨毯のデザインはなかなか良い。
次は、サイクロンに関する展示のコーナーへ入る。Darwinは、1975年1月にCyclone Tracyに襲われて全てが跡形もなく吹き飛ばされてしまった町なのだそうだ。家がぺちゃんこになり、電柱が倒れ、とてもすさまじい台風だったようだ。現在ではそんな大災害からすっかり立ち直り、家は元の場所に同じように建て直され、街も元のように再建されたそうだ。日本の神戸もいつか元のように戻るのだろうか。実際にサイクロンの時の風を体験する施設があった。彼女はちょっと入りたがっていたが、「子供じゃないんだから。」と言ったら、入るのをやめた。
続いては、Botanic Gardenへ行く。植物園の一角と思われるゴルフコースのすぐ横までは行くがなかなか入り口が見つからない。日本人墓地がゴルフコースの近くにあるとガイドブックに書いてあったがそれも見つからない。
迷いながら入り口へ行くと、通行止めの看板が立っている。困っているところにトラックのおじさんが前からやって来て、「今は工事中なのでここからは入れない。他の入り口へ行くからついておいで。そっちにはCar
parkもあるよ。」と言ってくれた。そのおじさんの車の後をついていく。2,3分でその入り口に着く。おじさんに手を振り、Visitor informationの前に車を停める。
駐車場の脇に咲き乱れるピンクや白の花を横目にVisitor informationに入る。
先程のトラックのおじさんが中にいて、地図をくれ施設の説明を親切にしてくれた。ついでに水草のBookletをもらい園内を見て回る。Rain forestの中を散策する。薄暗い森の中に、やたら大きな木が群生している。進んでいくと、竹林が見えてきた。そう言えば、竹林はSydneyの
Botanic gardenにもあった。日本ではさして珍しくもない竹がここオセアニアでは珍しい植物として扱われているのがなんだか不思議だ。
Rain forestを出てしばらくあたりを見て回るが、他には特に際だって印象に残るものはなかった。
K-martでエンジンオイルを購入
エンジンオイルを買うためK-martへ向かう。K-martへ行くのは数日に一度の恒例行事となっている。どこへ行ってもほとんど同じ品揃えなのだが、なぜだか飽きない。思えば、ニュージーランドで生活していたときもしょっちゅうK-martにはお世話になっていたような気がする。
Visitor informationで教えてもらった通りに行くと、迷わずにGarallia shopping centreというモールに到着。外は暑いので迷わず屋内に駐車する。
K-martをはじめとして、Coles、Woolworths、Big-W等の大型店はもちろんSports girl, Just Jeansなどオーストラリア定番の店も一通り揃っている。Wendy'sは3つもある。久々の巨大ショッピングセンターだ。
館内は冷房が効いていて涼しく、人々は外の暑さを忘れ生き生きしているように見える。こんな暑い土地柄だからこそ涼しい室内で買い物を済ませてしまいたいという原理が働いているような気がする。
K-martでオイルを買い、Chinese takeawayでChiken potato等を買い、一度車に戻る。いったん車中で昼食をとり、またモールへ戻る。Colesで買い物をした後、彼女が95cのFrozen
cokeのラズベリー味を買う。店員に「自分で入れればいいよ。」と言われたが、入れ方がわからないので教えてもらう。手前にレバーを引くと、ジュースのようなものがカップに注がれる。最後にはなぜか固まってしまうのがとても不思議だ。どういう成分が入っているのだろう。
続いて午後からはBeachへ向う。蘭のような花が咲き乱れ、椰子の木が生えている。熱帯そのものだ。ビーチの近くには豪邸が建並んでいる。どこの町へ行っても海岸際は高級住宅街のようだ。
しばらくの後、次の目的地、Crocodile parkへ向う。
Crocodile parkの駐車場に車を停め、入り口へ向うが入場料は何と$10。$$$。貧乏な我々にはきつすぎる。早々にKakadu national
parkの方へ向う。
野鳥観察センター
灌木の樹林地帯が続いたかと思ったら、あの砂漠が嘘だったかのように広大な湿地が広がる。それからしばらくして左手の丘に、途中の野鳥観察センターが見えてくる。
どこの建築家が造ったのだろうか、何もない湿地帯に建つ白い観察センターは見方によっては異様だ。
1階には周辺で見られる鳥、魚、蟹等の紹介パネルがある。魚などは本物が水槽に入れられている。前日にEdith fallで一緒に泳いだRainbowも水槽の中にいる。同じくEdith
fallで見た透明な魚も同じ水槽の中にいる。Buramanndiも水槽の中にいる。Edith fallでは残念ながら見ることができなかった魚だ。日本の熱帯魚屋へ行けばとても高価な魚だ。
SydneyのFish marketで見たMud clubはこの近くで捕れるようだ。湿地の中に罠を仕掛けておくとすぐに捕まえられるそうだ。是非捕獲してみたい。仕掛けを作るのは我々には難しすぎるだろうか。
アボリジニのBush Tackerの展示もある。以前にもどこかの博物館で見たような気もするが、興味深い。
2階は野鳥観察センターとなっている。双眼鏡があり、遙か向こうに黒い鳥の群が見える。その2階は一部がテラスになっていて、そこから屋外階段をつたって駐車場へ戻ることができる。
車に乗込み、時計を見ると思ったよりも時間が経過している。チェックインできないのではと思わず焦り先を急ぐ。
車外では再び、地平線まで広がる湿地とブッシュが連続した光景が広がっている。彼女の「どうして日本にはこんな広大が湿地がないのかなぁ。」という疑問に賛同しながらも、「日本ではみんな田んぼになってしまっているよ。」と返す。
Kakadu national park
Jubiruに入り、Kakadu national parkの第1日目の宿を取る。2人で$60と、これまでの中でも最も高い宿だ。部屋は、とても綺麗だがキッチンがない。白いペンキ塗りの壁は綺麗だが、天井が妙に高いせいか、声が響いて留置場のようだともいえる。幸いにも、共同キッチンにはガスレンジがある。
荷物を整理して買出しに行くが、スーパーは閉っている。夕食は、ありあわせのもので済ませる。珍しくそうめんが食べたくなったのでそうめん、それに加えてMushed
potato、ご飯、梨を食べる。そうめんの付汁は、ショウガがないのでざるそばのつゆのようだと彼女は言っていたが久々のそうめんはまずまずだった。こういう非常時の乾燥食品は実に助かる。
明日用の水をくみにキッチンへ行って戻ると、彼女が部屋の前で立っている。どうやら鍵を中に入れたままドアを閉めたらしい。何度も同じミスを犯すので、「鍵を中に入れたままロックしないように。」と口を酸っぱくしていただけにばつが悪そうだ。「どうしたの?」と聞いたら無言で走っていった。オフィスへ行ったようだ。しばらく待っていると、オフィスの人とともに現れ、その人に鍵を開けてもらった。
夜、奇声が聞えてくる。アボリジニの儀式か何かだと思っていたが、先日Kathernie gorgeで見た鳥の鳴声だと彼女に指摘され大笑いする。失礼なことを考えていたものだ。